この仕事をするならこんな学問が必要だ<建設業界(コンクリート製品)>

コンクリート製品やスチール製品でインフラを担う

〜道路や橋、港湾、トンネルを造る部材を開発・製造

ジオスター株式会社

取締役常務執行役員 技術本部長

高松芳徳さん

第2回 材料の特性を活かし、コンクリートとスチールのハイブリッド製品を開発

トンネルなどに使われるセグメントには、コンクリート製のものと、スチール(鉄鋼:鉄を主成分とした合金)製のもの、両者を組み合わせた製品があります。そしてコンクリートは、押される力には強いが引っ張りや曲がりには弱いという特徴があります。逆に引っ張りや曲げに強いのが鉄鋼です。そこで、用途や使う場所などに合わせて使い分けられるように、ジオスターでは、様々な製品を開発しています。

 

RCセグメント
RCセグメント
スチールセグメント
スチールセグメント

工場で上のようなセグメント製品を作り、現場でつなぎ合わせる

 

例えば、地下鉄のトンネルに使うセグメントは、まっすぐな部分にはコンクリート、急激にカーブするところには、スチールのセグメントを使っています。ただし、仕上げに内面をコンクリートで覆ってしまうため外側から見ただけでは、どこがコンクリートでどこがスチールかはわかりません。

 

地下50メートルの水圧にも対応したセグメント

 

コンクリートのセグメントの中には引っ張りに強い鉄筋が入っていますが、鉄筋を引っ張られる外側に配置してコンクリートの強度を補う、薄い部材が必要な箇所では外側にスチールの板を貼ってコンクリートの厚さを薄くするなど、様々な工夫が施されています。

 

また、地下は岩石の隙間に水があるのですが、地下50メートルなど深い場所ではこの水圧が高くなりトンネルに負荷がかかるため、水漏れを抑えるために、鉄の枠の中に鉄筋を入れてそこにコンクリートを流し込んだセグメントを開発しました。

 

そして製品を開発するにあたっては、実物大のものを造って実験すると何千万円もかかるため、コンピュータで数値解析しながら、コンクリートの厚みなどを設計します。その後試作し、実物で外部からかかる力を加えて実験して安全な設計がなされているかどうかを確認します。 

 

プレキャストには、セグメントのほかには、道路や水路の土留めに使われる矢板と呼ばれる製品、水路などに使われるボックスカルバートという製品、電線など様々なライフラインを地下に埋める共同溝、防潮堤用の製品など、用途に合わせた様々な製品があります。

 

運営:リベルタス・コンサルティング

 (協力:河合塾)

 

 

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