株式会社安藤・間
大学の建築系・土木系の学部・学科の卒業生で最も求人が多いのが、施工管理の仕事です。施工管理以外では、国立大学の特に土木系の学生に、インフラの整備を企画できることに魅力を感じて公務員を志望する人が多くいます。いわゆる公共事業を発注する側の仕事です。ほかに、建築系では設計事務所、土木系はコンサルタントに就職する人がいます。近年は修士課程まで一貫したカリキュラムを設ける大学も増えており、大学院修了者は発注側や設計を志望する人が多いようですが、施工側への就職も是非選択肢に入れてもらいたいと思います。
「けんせつ小町」と名づけて、女性の活躍を推進
また近年、施工管理の仕事を志望する女性が増えています。当社の場合、今年度は、建築は施工管理で約40人の採用者の内、10名弱が女性です。土木の施工管理も1割以上が女性です。
日本建設業連合会という建設業の団体でも、建設業で働く女性を「けんせつ小町」と名づけて、女性の活躍を推進しています。当社でも、女性がいない現場も含め、80%以上の現場に女性用のトイレやロッカー室を備えており、これから新しく設置される現場には全て、女性用の施設を備える予定です。
女性は覚悟を持って志望してきますので、仕事に意欲的な人が多いです。「建築の仕事をしたいけれど、現場は無理だから設計」と考える方もいますが、活躍する女性が増えていますので、現場で働くことをあきらめないでいただきたいと思います。
一級建築士の資格取得を奨励
資格としては、一定の実務経験を経たのち、ほぼ全員が取得するものに一級建築施工管理技士があります。また、一級建築士の資格は施工管理の仕事に必須ではありませんが、発注者から、所長の要件として一級建築士を指定されるケースが増えています。仕事に広がりをもたせるためにも、当社では若いうちから一級建築士の資格取得を奨励しています。一級建築士の資格試験を受験するためには「国土交通大臣が指定する建築に関する科目を修めて卒業」した上で、所定の年数の実務経験を経る必要があります。
IT系人材の採用も増えつつある
近年は大学の学部・学科の名称が多様になって名前だけではどこで建築工学が学べるかわかりづらくなっていますが、将来施工管理の仕事を志望する場合、建築士の受験資格となる所定の科目をそろえた学部・学科が該当すると考えてよいでしょう。ただ、最近建築と土木の両方を学べる学科で学び、どちらの仕事をしたいかわからないまま採用に応募してくる人がいます。大学入学時点で決めるのは難しいかもしれませんが、どちらか一方をしっかり学んで、就職を考えるとよいでしょう。
技術系の職種の採用は、建築・土木系の学部・学科以外では、電気系、機械系の学部・学科の卒業生も採用しています。
さらに近年は、「i-Construction」といって、IT技術の建設業への導入が進んでおり、IT系人材の採用も増えています。例えば、ダンプカーなどの建設車両にGPSやセンサーをつけて、今どこを走っているかを確認することにより、工事の効率を上げる工夫などをしています。
施工管理とはどんな仕事なのか、高校生、大学生には少しわかりづらいと思いますが、興味があれば、是非この世界を目指していただればと思います。
おわり